2016年10月22日土曜日

「紅春 95」

りくは10歳になりました。なんとかここまで無事にこれて感無量です。この間にいろいろなことがありました。柴犬の繁殖場からまだ2カ月半だったりくを一緒に連れてきたヘルベルトは亡くなり、厳しそうに見えてその実りくを猫かわいがりしていた父もこの世を去りました。りくは年々さびしがりになってきた気がします。

 東京に帰る日が近づくとそれまでりくに振り回されて結構大変だったのに、あと三日、あと二日しかない・・・と私も少しさびしくなります。帰る日の二日前、遊べるのは明日だけだなあと思いつつ、「姉ちゃん、あさって帰るからね。また来るから心配しないでいなさい。あしたはうんと遊ぼうね。」と言って寝た晩のことです。夜中に起きて、りくが定位置にいないなと気づいたのですが、翌日二階に行っていたことがわかりました。兄の話では「昨夜は変だった」とのこと。いつもは二階にいるときでも襖を隔てて向こうの部屋にいるのですが、昨夜は部屋にやってきてべったりくっついていたというのです。まさか私の言葉が影響したとも思えませんが、「帰る」とか「東京」という単語は理解できているのかもしれません。りくいにはりくの考えがあってその時々に行動しています。犬と言えどすごいことです。それにしても繊細な柴男には不用意なことは言えません。