2025年9月4日木曜日

「子供の睡眠」

  朝方ぼんやり目覚めると、「ラジオ深夜便」の4時台、「言葉の力」が流れていた。次の話は覚醒前の頭でうつらうつらしながら聞いたことなので、半分くらい正確ではないきがするが、印象に残ったことだけ書き記す。ゲストは成田奈緒子という発達障害を研究する大学の先生で、もともと小児科医だった方である。

 子供の発達障害は診断基準の変化や社会の認識の向上、早期発見の進展等の理由で増加しており、現在日本では子供の6~7%が発達障害と診断されている。しかし、少なくとも2%以上は本来の発達障害ではなく、適切な時期に適切な成長の機会を与えられなかったことによる症状であり、それはこれからの生活習慣によって改善できるものである。

 子供の脳の発達には「体の脳」と「心の脳」の2段階がある。まず、小学校入学くらいまでの幼児期に徹底して習慣づけることは「夜8時に寝ること」で、これが子供にとって死活的に大事なことである。そして子供のうちは一日11時間の睡眠が必要である。昔の子供は夜8時に寝かされるのは普通の事であったが、今これを遵守するのは至難の業である。

 そのため子育てに際して彼女がおこなった方法が紹介されていた。夜7時45分に子供と一緒に帰宅しても8時に寝かせていたというのである。お風呂でゆっくりできなくても死にはしないから、絞ったタオルで頭や体を拭いておしまい。一日三食の内あとの二食をしっかり食べていれば夕食は手抜きで構わないから、冷凍ご飯と納豆で夕食はおしまい。風呂や夕飯よりも、子供にとって何よりも重要な「8時就寝」を死守したという。寝る時は親も一緒に就寝し翌日まで眠るが、大人は7時間睡眠で足りるので午前3時に起きて、昨夜やり残した事や当日の準備をする。子供が寝ていて静かなので仕事がはかどると言っていた。

 」体の脳」が確立した後、子供が小学校の高学年になるころから「心の脳」の成長に力を入れるとのことだった。そのやり方は、一つには家事の役割分担(彼女の子供は朝食作り担当)を持たせること、もう一つは例えば「ラジオ英語を聞きながら朝ご飯を用意する」といったマルチタスクを与えることであった。他にも何か言っていたと思うが、話の中身に圧倒されて、それくらいしか覚えていない。

 世の中にはすごい人がいるものである。自分のことを振り返れば、夜8時に寝せられていたまでは良かったが、それ以外はあまりにのほほんと育ってしまった。今でも一度に一つの事しかできず、物事をてきぱきと処理することができない。今からではいくら生活習慣を変えても改善は見込めないだろう。その代わりと言っては何だが、歳をとって8時どころか6時半には疲れて横になるようになった。大人にとっても睡眠時間の大切さは変わらないとの話を聞いた。だが私の場合、夜中に何度か目覚めるのでトータルで8時間眠っているかどうかは怪しい。トホホである。